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みかづきいちざのものがたり/アイリーン・ハース

みかづきいちざのものがたり
文・絵:アイリーン・ハース

My評価★★★★

訳:うちだりさこ
福音館書店(1998)
ISBN4-8340-0862-2 【Amazon
原題:THE LITTLE MOON THEATER(1981)


女の子のジョジョと犬のジップと猫のニコレットは、「みかづき一座」という旅の一座。ジョジョが楽器を鳴らして歌い、ジップとニコレットが芝居や踊りをやります。
ある村で、ローズという女の子がいました。片方を赤いソックス、もう片方は黄色いソックスをはきたいのに、お母さんに怒られて泣いていました。
みかづき一座ではローズを芝居に出しました。演題は『かしこいおうじ』です。

またある村では、ヘビを好きな男の子がいました。
でもみんなはヘビを恐がって、男の子を仲間はずれにします。ジョジョたちは男の子を『ジャングルのヒーロー』という芝居に出しました。

秋の夕暮れにみかづき一座は、丘の上で吠えている犬に会いました。犬は月が欲しくてたまらなかったのです。その晩の芝居は『つきにこいしたいぬ』でした。
そうしてみかづき一座が芝居で願いをかなえてやったあとに、羽のある小さな魔女がやってきました。おばあさん魔女の羽はとても弱っていましたが、あとひとつ願いをかなえれば休むことができるのだそうです。でもその願いをみかづき一座がかなえてやってしまったので、魔女は次の願いを探すために飛んでいきました。やがてバイオリンを弾くジョジョの指はかじかみ、ダンスをするジップとニコレットの上に雪の降る冬がやってきました。

********************

アイリーン・ハースの15冊目の絵本とのこと。ミルク・ホワイトの紙が彼女のどこかしら懐かしい絵にピッタリ。
ハースの絵は独特で、カチッとした線ではなくおだやかな丸みを帯びた線。提灯や柄つきの番傘、着物に舞扇などの東洋趣味と、南国の植物が多色で描かれています。本来であれば多色を使うとどきつくなりそうなところですが、ハースはレトロともいえる色彩で描いているのです。多色ながら落ち着いた色彩感は、ハース独特のもの。

また、どの場面も常に動的に描かれているので楽しさがあります。
人は人としての大きさで、ネズミとその家もテーブルもジョッキも、ウサギとボートも実物の大きさで描かれています。彼らは服を着て人間のように行動しますが、決して人間並みの大きさに誇張されていないのです。

この絵本の文章を読んでみると、改めて彼女の視点がよくわかるような気がしました。
左右色違いのソックスをはきたい女の子、月が欲しい犬、ヘビを飼いたい男の子。大人からは「そんなことはダメ!」と言われそうなことばかり。
でも、ダメとか変だとか言う理由はどこにあるのかな?それは大人の都合なのでは。当人たちにとってはちっとも変なことではないのだから。
本当は誰もが心の底でやってみたいことを、ハースはいとも軽々と描きだしてくれるのです。(2001/3/27)

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