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クリスマスツリー/ジュリー・サラモン

クリスマスツリー
ジュリー・サラモン

My評価★★★★

訳:中野恵津子
カバー画・挿画:ジル・ウェーバー
新潮文庫(2000年12月)
ISBN4-10-212311-3 【Amazon
原題:The Christmas Tree(1996)


ロックフェラー・センターのクリスマスツリーとなる木を探していたジェシー・キングは、ニュージャージー州の修道院で目的の木をみつけました。
その修道院にはシスター・アンソニーという修道女がいて、木を「トゥリー」と名づけて、とても大切にしていました。
シスター・アンソニーとトゥリーは幼なじみで、彼女にとってトゥリーは、歓びや悲しみをともに過ごしてきた大切な友だちだったのです。
シスター・アンソニーはトゥリーの下で、集まった子どもたちにお話をします。いつしかジェシーは、トゥリーを切ってクリスマスツリーにすることをあきらめて、シスター・アンソニーのお話に聞きいります。
彼女の父が亡くなって孤児院へ行ったこと。記憶の底に眠る父の言葉。たったひとつの形見のカバン。孤児院でのこと、修道院に引き取られたこと。そしてトゥリーとの出会い・・・。

彼女が修道院に引き取られたときには、同じぐらいの背丈だったトゥリーが、いまでは堂々とした大木になりました。トゥリーは「ドイツトウヒ」という種類で、他の種類にくらべて成長が速いのです。しかし、それだけ衰えるのも速かったのです・・・。

********************

単行本「クリスマスの木」を改題して文庫化。児童文学という範疇ではなく、年齢を問わずにしっとりと読ませてくれる物語。クリスマス前に読んでほしい本です。
子どもより、むしろ大人向けの作品だと思います。子どもには、他人や大人にはガラクタにしか見えないものでも、大切な宝物があります。その宝物は親友だけに見せたい、とっておきの秘密なのです。そんな宝物を持っていませんでしたか?でも大人になるにつれ、いつしか宝物はどこかへ消えて行ってしまいませんでしたか?
子どものころのシスター・アンソニーも、そういった宝物を持っていました。いえ、かなり歳をとっていても彼女はいつまでも大切に持ち続けています。それはとても美しいものです。

見た目だけではなく、本質的に美しいものとはなにか?
美しいものは心の琴線に触れ、輝きと憧憬に包まれているように思われます。それが希望をもたせてくれ、明日や未来)への扉を開くための活力源のひとつとなるのでは。世界と己を信じ活力源を維持するために、美しいものがあるのではないでしょうか。
抽象的で漠然としていますが、シスター・アンソニーの語る部分を読んで、そんなことを考えました。
訳者あとがきによると、著者の母親はアウシュヴィッツの生存者だったそうです。そうしたことを考えあわせると、この作品に込められたメッセージが意外に深いものだと思われます。(2000/12/23)

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まとめ【クリスマスツリー/ジ】

クリスマスツリージュリー・サラモンMy評価★★★★訳:中野恵津子カバー画・挿画:ジル・ウェーバー新

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