スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

ふくろう模様の皿/アラン・ガーナー

ふくろう模様の皿
アラン・ガーナー

My評価★★★★★

訳:神宮輝夫
評論社(1972年1月)
ISBN4-556-01083-X 【Amazon
原題:THE OWL SERVICE(1967)


ウェールズの谷間の屋敷に、イギリス人のアリスン、アリスン母と再婚相手の義父クライブ、その息子ロジャ。ウェールズ人の召使ナンシイとその息子グウィン。イギリス人から気ちがいだと思われている、雑役夫のヒュー・ハーフベイコンが住んでいる。

アリスンとロジャ、グウィンは、屋根裏で模様の入った皿をみつけた。
アリスンは皿の模様を紙に写してフクロウの形に型どったが、一つ出来上がるたびに、紙のフクロウはどこかへ消えてしまった。
その後、三人はビリヤード室のモルタルが剥がれた後に、花から生れた女の絵を発見した。しかしそれは忌まわしい封印を解くことだった。
すべての謎の鍵はウェールズの伝説にあるのだが、イギリス人のロジャはウェールズ人を気ちがいだと言って信じようとしない。またアリスンは、母親からグウィンと会うことを禁じられてしまう。
グウィンはアリスンにだけ話した自分の秘密を、彼女がロジャにしゃべったと思い、プライドを傷つけられてアリスンから遠去かろうとする。次第に三人の感情がもつれ、愛憎が渦巻く。

********************

1967年ガーディアン賞、1967年度のカーネギー賞を受賞。
ウェールズの神話・伝説であるマビノーギオンの『マース』が、この作品の重要な位置を占めているのだそうです。
『マース』のグロヌーとフリュウ(男2人)と、花から作られた乙女ブロダイウィズとの物語がベースになっているのだそうですが、この物語を知らないとわかりにくい。
要するにグロヌーとブロダイウィズとフリュウの愛憎のもつれによる悲劇によって、男の一人が死に、花から作られたブロダイウィズが、憎しみによってふくろうに変えられてしまう。

この物語はファンタジーというよりも人間ドラマという感じ。心理小説といえるかと思います。
私としては、無理にファンタジーに分類しなくてもいいのではないかと思います。児童文学として出版されていますが、登場人物に共感できない(自分だけかな)ことと、物語にハツラツとした部分がないので、子どもがこの作品を読むのはキツイかも。登場人物たちがみんな自分のことしか考えていないので、誰にも感情移入しにくかったんですよ。
重厚なムードなので、児童文学よりむしろ大人向けの幻想文学と捉えるほうがいいのではないかな。
冥い情念が漂うような破滅的ムードが醸し出されていて、心理的に不安感を誘われる、一風変わった独特な物語だと思います。(2001/6/3)

にほんブログ村 本ブログ 書評・レビューへにほんブログ村 本ブログ 海外文学へ

スポンサーサイト

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

H2

Author:H2
My評価について
=1ポイント
=0.5ポイント
最高5ポイント

最新記事
カテゴリ
最新コメント
最新トラックバック
FC2カウンター
検索フォーム
リンク
QRコード
QRコード
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。