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ミオよ、わたしのミオ/アストリッド・リンドグレーン

ミオよ、わたしのミオ
アストリッド・リンドグレーン

My評価★★★★★

訳:大塚勇三
カバー画・挿画:イロン・ヴィークランド
岩波書店(1967年9月改版)
ISBN4-00-115073-5 【Amazon
原題:MIO,MIN MIO(1954)


ブー・ヴィルヘルム・ウィルソンは、みんなからボッセと呼ばれる孤児でした。ある日、ボッセは瓶に閉じ込められていた魔人を助けて、『はるかな国』へ連れて行ってもらうことになりました。はるかな国こそがボッセの生まれた国であり、そこには本当のお父さんがいたのです。
お父さんは王様で、ボッセを本当の名前「ミオよ、わたしのミオ」と呼ぶのです。ボッセ=ミオは、はるかな国の王子だったのです。

ミオはお父さんである王様の美しいバラ園で、ユムユムと出会います。ユムユムはバラ園の庭番の息子でした。ミオとユムユムは、金のたてがみに金の蹄をもつ白馬『ミラミス』に乗って、いろんなところへ行きました。
ある日、二人は『朝子の橋』を渡ってユムユムの友だちの家へ行き、『夕暮れにささやく井戸』に耳を傾けました。夕暮れにささやく井戸には、忘れられたお話や歌がたくさん入っていて、それらをいまでも覚えている井戸が、薄暮になるとささやくのです。

そんなふうにミオは楽しく過ごしていたのですが、ひとつだけ気になることがありました。それは多くの子どもたちが『残酷な騎士カトー』にさらわれて、誰一人帰って来ないことです。ミオとユムユムはミラミスに乗って、銀の光線でできているような『月光の橋』を渡り、さらわれた子どもたちを助けるために、騎士カトーのいる『外の国』へ向かいました。

********************

なんといってもタイトルが素敵です。憂愁ささえ漂うような詩的なタイトル。そして、薄暮に包まれたような『はるかな国』の美しさ。ミオ、ユムユムといった登場人物の名前の語感も練られていますよね。

ミオとユムユムが建てたバラ園の小屋。緑の牧場の島で、羊飼いのノンノと3人で、笛を吹きながら星を見て過ごした草原の夜。夕闇の草原には、あちこちに羊飼いたちの焚き火が灯る・・・。
『海のむこうの、山のかなたの国』にある、夕暮れにささやく井戸。夕暮れになると、井戸の周りに集まって耳をそばだてる子どもたちに、井戸はどんなお話を語ってくれるのでしょうか?
どの場面も情景が目に浮かび、『長いくつした』しか知らなかった私にとって、リンドグレーンの感性に驚かされます。
どこにでもいる子どもとして書かれているミオに共感がもてました。

アラビアンナイトやグリム、アンデルセンらの影響を受けており、オリジナル性がに乏しいと言えなくもありません。しかし、それがストーリーを損ねているとは思えません。美しく清らかな詩的イメージを楽しめました。浄福感に満ちた物語だと思います。(2001/1/27)

追記:2001年3月、岩波少年文庫化【Amazon】。

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