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インドの樹、ベンガルの大地/西岡直樹

インドの樹、ベンガルの大地
西岡直樹

My評価★★★★

解説:下川裕治
講談社文庫(1998年9月)
ISBN4-06-263869-X 【Amazon


インド西ベンガル州(首都はカルカッタ。現在は現地語読みのコルカタ)の樹々や花々、現地の人々の生活を綴ったエッセイ集。著者自身が描いたカラーの美しいポタニカルアートも収録。文章もいいのですが絵が上手いですね。
沙羅双樹や夢憂樹(ムユウジュ)、インド菩提樹など、仏教にまつわる木々について、ボタニカルアートと共に詳しく載っているんです。東南アジア圏で見かける植物についても知ることができました。

著者は1973年から1978年にかけて西ベンガル州に留学し、ベンガル人の一家と家族同様に暮らしたとのこと。その後、幾度も日本とベンガルを往復したり、夫婦ともにベンガルで暮らした。そして樹や花をスケッチし、それらの植物に関する神話や民話なども収集。珍しい樹があると聞けば出かけるのだそうです。
主に、現地の人々と彼らの身近にある植物との関わりに焦点を当てています。香辛料としてのタマリンド、祭壇に供えられる植物、モフワの花の酒など、様々な植物が生活に密着していることがわかりました。

留学してベンガル人の一家と家族同様に暮らしによって現地の人々の溶け込み、旅人の目から見たベンガルではなく、日常生活のベンガルと彼らの祭りなどの風俗を描いています。
ベンガル・・・その地にはなぜか郷愁を誘われるんですよねえ。そこでは花々の香りが漂い、人々はあくせくせずゆったりと暮らし、時の流れはゆるやかに感じられる。生活水準は低く、インフラは整備されていないけれども、それでも豊かに感じられるのはなぜだろう。
もっとも本書で書かれた時代は主に70年代のことなので、開発の進んでいる当代とは異なるでしょうが。

著者の想いは美化されているように感じられなくもないのですが、馥郁とした花の香り漂う大地、その地に住まうのびやかな人々は、いつまでも失せてほしくないと思います。そう思わせるものが伝わってきて、そんな何かが彼の地には確かにあるのでしょう。(2003/11/30)

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