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インド夜想曲/アントニオ・タブッキ

インド夜想曲
アントニオ・タブッキ

My評価★★★★

訳:須賀敦子
白水uブックス(1993年10月)
ISBN4-560-07099-7 【Amazon
原題:Notturno indiano(1984)


失踪した友人を探してインドへ来た僕は、ボンベイのカジュラーホ・ホテルで、友人を知っている売春婦と会う。売春婦の話を聞き、友人が入院していた病院へ行くが、手掛かりは掴めなかった。
マドラスの神智学協会の会長の話では、友人がゴアにいたことがわかった。辞去する間際に会長が盲目の知識は不毛の土壌しか作らない。狂気の信仰は自分の祭儀の夢を生きるだけで、あたらしい神はただひとつの言葉にすぎない。信じてはならない。あるいは求めてはならない。すべては神秘だ。(p81)と言った。それはペソアの詩の一節であった。

ゴア行きのバスに乗り換えるため、まずマンガロール行きのバスに乗った。途中の停留所で、弟に背負われた猿のような兄と出会う。そしてゴアで、不思議な老人と不思議な夢をみる。
ホテル・スアリに泊まり、フィラデルフィアから来た青年と出会う。ホテル・マンドヴィでは、友人が偽名を使っていることを気づく。そしてマンドヴィの給仕長から聞き出した友人の好みに合う最高級の2軒のホテルのうち、ホテル・オベロイへと向かう。

********************

インドで失踪した友人を探して、いわくありげな人々と出会うミステリー仕立て。だがそこはタブッキのこと、一筋縄ではいかない。「騙されないぞ」と思っていても、いつの間にか手玉にとられてしまう。ある一局を境にして、現実と非現実がスルリと入れ替わってしまう。しかし非現実的な世界のほうが真実なのかもしれない。

The soulの物語ではあるけれども、これはゲームなのだ。作者はご丁寧にも巻頭の『はじめに』で これは、不眠の本であるだけでなく、旅の本である。不眠はこの本を書いた人間に属し、旅行は旅をした人間に属していると示しているではないか。そう、間違いなく不眠と旅の本。
しかもThe soulを巡るゲームのハンデを与えているのである。なんと小憎らしいほどのサービス精神だろう。(2001/5/22)

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