スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

神の家の災い/ポール・ドハティー

[アセルスタン修道士シリーズ]神の家の災い
ポール・ドハティー

My評価★★★☆

訳:古賀弥生,解説:古山裕樹
創元推理文庫(2008年11月)
ISBN978-4-488-21904-8 【Amazon
原題:Murder Most Holy(1992)


1379年6月のロンドン。シティの検死官クランストンは、双子の息子が生まれたことと、治安判事の地位を授かってご満悦。
クランストンは幼王リチャード二世の摂政ランカスター公から、イタリアはクレモナの領主をもてなす宴に招かれた。クランストンは、ランカスター公の策略によってクレモナの領主と賭けをするはめに・・・。
賭けは、4人が密室で立て続けに死んだ謎を解くこと。できなければ大金と名声を失うばかりではない、ランカスター公に抱き込まれることになる。頼みの綱は、アセルスタン修道士だが・・・。

アセルスタン修道士の教会で改修工事が始まった。しかし祭壇の敷石の下から白骨遺体が現れた!
貧しい教会区民たちは、聖人の白骨だと言い張り、聖遺物で一儲けしようと露天商へ早代わり。遺骨に触れて病気が治ったという者まで現れ、ウワサを聞きつけた行商人やら詐欺師やらが押し寄せ、教会前は騒乱状態に。
アセルスタンは頭を抱え込む。白骨遺体は何者なのか?なぜ教会内に埋められていたのか?

アセルスタンが籍をおいていた修道院の院長が、彼とクランストン卿に助けを求めてきた。修道院で2人の修道士が死に、さらに1人が行方不明という異常な事態が発生したからだ。事故か他殺か?修道院で何が起きているのだろう。
アセルスタンは三つの謎に取り組む。

********************

14世紀のロンドンを舞台にした歴史ミステリーのシリーズ3作目。このシリーズ、巻を追うごとに面白くなってきてます。
今作ではアセルスタンは、なんと三つの謎(しかも殺人絡み)に挑戦!謎が三つあるところがいいんでしょうね。クレモナの領主の謎だけでは一冊の本にならないだろうから。
作者は相変わらずトリックがお好きなようですが、トリックに関しては評価が分かれるかもしれません。

巻を追うごとに面白くなってきているのは、キャラクターが確立してきたからだと思います。
1作目では、どちらかというとアセルステンとクラントンも類型的で没個性的だったけれど、ここへきてそれぞれのキャラクターと役割りが確立しつつあり、人間味が出てきました。

アセルスタンの教区民ベネディクタ未亡人の元に、難破した夫がフランスに拿捕されているらしいという知らせが届いた。密かに(と思っているのは本人だけのようだが)ベネディクタに想いを寄せているアセルスタンは動揺する。
また、教会前の騒ぎに癇癪を起こしたりと、これまでになく彼の感情が描写されていて、親近感とまではいかないけれど、とっつきやすくなった。

クランストンは、道化的役割りが定着してきた様子。恐妻家的態度にはおかしみが感じられる。妻のモード夫人が、クランストンを上手く立てつつも、ここぞというところではギュッと引き締めるところがこわいかも。リアルに感じるのだけれど、気のせいか。

面白可笑しかった場面は、白骨遺体を発見してからの教区民のドタバタ劇!
教区民たちは白骨体を強引に聖人に祀り上げてしまう。その上で、一儲けするため普段は仲の悪い男たちがタッグを組んじゃう。教区民のキャラクターも書き分けられてきた様子。
総じて言えばミステリー的な部分もよりも、人間ドラマの部分が掘り下げられたので面白くなってきたということかな。個人的には「歴史」に関わる内容をもっと盛り込んで欲しいのだけれど。(2009/1/29)

にほんブログ村 本ブログ 書評・レビューへにほんブログ村 本ブログ 海外文学へ

スポンサーサイト

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

H2

Author:H2
My評価について
=1ポイント
=0.5ポイント
最高5ポイント

最新記事
カテゴリ
最新コメント
最新トラックバック
FC2カウンター
検索フォーム
リンク
QRコード
QRコード
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。