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死体が多すぎる/エリス・ピーターズ

[修道士カドフェル・シリーズ2]死体が多すぎる
エリス・ピーターズ

My評価★★★★

訳:大出健,解説:大津波悦子
現代教養文庫(1991年1月)[廃版]
ISBN4-390-13002-1 【Amazon
原題:One Corpse too Many(1979)


1138年、先王ヘンリーの死後から、先王の娘モードと従兄妹スティーヴンとの間で王位継承権を巡る争いが続いていた。スティーヴン王の軍勢はシュールーズベリへ進軍していた。
カドフェルは、戦禍を逃れて修道院へ来た少年ゴドリックを、見習い修道士の助手として預かることになった。
スティーヴン王の軍勢はシュールーズベリを占拠したが、モード勢の首謀者であるフィッツ・アランとエイドニーを捕まえることができないでいた。エイドニーの娘ゴディスは脱出できず、いまだ城下に潜伏しているらしい。
スティーヴン王側についたゴディスの婚約者ヒュー・ベリンガーは、スティーヴン王からゴディスの捜索を命じられる。だが、ベリンガーにはゴディスを探す独自の目的があった。

スティーヴン王の命によって、94人の敵兵が処刑された。修道士らは放置された死体を埋葬しようとするが、カドフェルが数えると95人の死体があった!?密かに殺された若者の死体が紛れ込んでいたのだ。殺されたのは誰なのか?また何のために?カドフェルは捜査を始める。
ゴドリックはケガを負った少年トロルドを発見する。トロルドは夜陰に紛れてフィッツ・アランの財宝を国外に持ち出す任務を帯びていたが、何者かに襲われたのだった。
カドフェルとゴドリックは、トロルドを匿い折りをみて脱出させようとするが、カドフェルの周囲にはなぜかいつもベリンガーがいた。
一人多い死体の謎と、フィッツ・アランの財宝の行方は!?

********************

実際に起こった内乱を背景に、戦況下で起こった事件という設定。内乱がなければ起きなかったであろう事件。
私としては内乱という歴史の一コマと、事件が密接に関わりあっている設定が良かった。別の時代に置き換えることができず「この時代この場所でしかあり得ない事件」、歴史が書割りでないところが好きです。
そして物語の柱となる謎が一つきりではなく、一人多い死体と財宝の行方という二つの謎を解くので読み応えがありました。
カドフェルは二つの問題を解決しなければいけない。そこに男女四人の恋の行方が絡む。これで面白くないわけがない。

今作では何と言ってもヒュー・ベリンガーの存在が際立ってますね。主役と言っていいぐらい。
戦下で刻々と状況が緊迫するなかでの、カドフェルとベリンガーの知恵比べ、と言うより騙し合いと言ったところ。ベリンガーをはじめは「いけ好かない奴」と思っていたのだけれど。
そして事件は意外な展開へ・・・。
一見して弱々そうで実は芯のシッカリしている貴族の娘アライン。反乱軍に加わった親兄弟を亡くした彼女は修道院へ身を寄せ、途惑いながらも必死で自立しようとする。その姿がけなげ。アラインの揺れる恋心の描写は女性作家ならではでしょう。(2003/10/6)

備考)2003年3月、光文社文庫より刊行【Amazon

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