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死への婚礼/エリス・ピーターズ

[修道士カドフェル・シリーズ5]死への婚礼
エリス・ピーターズ

My評価★★★★

訳:大出健,解説:大津波悦子
現代教養文庫(1991年11月)[廃版]
ISBN4-390-13005-6【Amazon
原題:The Leper of Saint Giles(1981)


1139年10月、修道院の教会で婚礼を行うために、花婿と花嫁の行列がやって来た。花婿は60歳近い有力な領主ウォン・ド・ドンヴィル。傲慢なドンヴィルは見物人を鞭で蹴散らす。花嫁は18歳の少女イヴェッタ・ド・マサール。

イヴェッタは両親亡き後、伯父ピカール夫婦に育てられた。ピカール夫婦はイヴェッタが継いだ財産を利用して利益を上げるべく、イヴェッタの意思を無視してドンヴィルと縁戚関係を結ぼうとしたのだった。
ドンヴィルの従者ジョスリンは、イヴェッタと幼なじみで彼女を愛していた。ジョスリンは婚礼を阻止しようとするが、解雇され放逐される。

婚礼当日、ドンヴィルが死体で発見された。殺人容疑はジョスリンにかかった。ジョスリンは逃亡し潜伏しながら、イヴェッタをピカール夫婦から開放してやりたいと願う。
カドフェルはイヴェッタが、かつて自身も参戦した十字軍で伝説の英雄となった騎士のギマール・ド・マサールの孫だと知り、事件の解明に乗り出す。その最中、第二の殺人が起きた!

********************

冒頭から珍しく不機嫌なカドフェルが登場。有能な助手マークが施療院へ行ったので、代わりにオズウィンが助手となったから。
恐ろしく不器用で、触れる物をみな破壊してしまうオズウィン。だが本人に悪意はなく、善良なだけに憎めず始末に終えない。
他人事だと面白いのですが、いざ自分にこういう助手がいたら・・・。ぞぞぞー。絶対いらない。でも性格が悪いよりはいいかなぁ。カドフェルは助手で苦労してますねえ。私はカドフェルのような上司だったらほしい。

前巻はこの作家としてはイマイチだったけど、この巻で持ち直してくれたのがうれしい。
事件はそれほど複雑ではないのですが、登場人物(正確には登場人物の生き方)が強烈な印象を残す。
そのうちの一人は、マークが行った施療院に身を寄せているラザラス。なんと言ってもラザラスの存在感が圧倒的!人生経験豊富なカドフェルですら、彼を前にしてはまだまだという感じ。もう一人はエイヴィス。美人だけど、こすっからい女かと思いきや・・・。

今作では外面と内面との相違、外からではわからない一面といったところが重視されているように思いました。
エイヴィスもそうですが、外聞から想像する人物像と、実際の内面にかなりの隔たりがあるんですよ。ドンヴィルにも実は人間的なところがあり、他人には見せない知られざる一面がある。イヴェッタは従順で一見意思薄弱のように思われるけど、実はそうではなく、内面に激しいものを持っているんですねえ。

今作ではハンセン病が取り挙げられており、マークの行った施療院は町や旅の病人、ハンセン病患者を収容する施設。
そのような人々と交わることによって、ジョスリンは彼らの人となりを身を持って知る。ジョスリンの体験がこの作品に重みと深みを与えています。この場面があるからこそ、ラザラスの存在が活きてくるのだと思います。

備考)2003年9月、光文社文庫より『死を呼ぶ婚礼』として刊行【Amazon】(2004/2/17)

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