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たびのなかま/はらだたけひで

たびのなかま
文・絵:はらだたけひで

My評価★★★★★

たびのなかま
文・絵:はらだたけひで
すえもりブックス(1993年6月)
ISBN4-915777-08-1 【Amazon


静謐で詩情溢れる絵と文で綴られる、絵本というよりも詩画集といった感じです。簡潔に表現された文と絵ですが、そこからは優しさと温かさ、慈愛が感じられました。

ゆめには
みちが あり
たびびとたちが いる


巻頭「わたしたちは たびひと・・・」と始まります。
私たちは誰もが旅人。でもどこへ、なんのために?なにを求めて?それらの答えは、本人でさえわからないかもしれないし、人それぞれに異なると思います。確かなことは、生きることは誰もがどこかへ向かっていること。その旅は、物理的な移動とは限らないということ。

「わたしは だれ?」と
森から 森へ
いっぽんの木を さがしつづける
ひとが いる


様々な旅人たちが語られます。旅する理由もいろいろですが、旅人たちが探しているのは「希望」ではないのかな。ふと、そんな気がしました。
そして作者は、旅人たちのために、こう語り続けます。

よぞらに
みちしるべの あおいまどを


単純に言ってしまえば「生の賛歌」ということなのかもしれないけれど、それじゃあつまらない。もっと夢のようなもの、もっと詩的なもの、もっとひそやかな歓びに満ちたもの・・・。そんな想いがそっと語りかけてくるようです。
言葉に触れ、絵の世界を旅する。すると、心が解放されて広々とした世界へ拡がっていくよう。そんな至福のとき。

夢のかけらを探し続ける人へ贈りたい本です。(2007/6/8)

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おやすみなさいのほん/ジャン・シャロー

おやすみなさいのほん
文:マーガレット・ワイズ・ブラウン,絵:ジャン・シャロー

My評価★★★★★

訳:石井桃子
福音館書店(1962年1月)
ISBN4-8340-0005-2 【Amazon
原題:A CHILD'S GOOD NIGHT BOOK(1950)


夕陽が沈んで夜になると、家には灯りが点り外は次第に暗くなって、何もかもが眠ります。小鳥たちや仔羊たち、森に住むライオンや猿たち、海の底の魚たち、みんな眠くなります。
帆掛け舟は帆をたたんで休み、自動車はガレージのお家に入ってエンジンを止めます。静かなエンジン、眠たいカンガルーたち、眠たい仔猫やうさぎたち。蜂もリスも眠たい・・・。
子どもたちはお祈りをして布団に入ります。
健やかな眠りを見守り、小さなものたちを包んで守っている大きな存在。

********************

睡眠というのは非常に個人的なもので誰とも共有できないものですが、この絵本では人間だけではなく、すべての生きものと共有できる時間のように思われます。どんな生きものにも共通した無垢なる時間。そんな時間を描いているように感じられるのです。
眠りに入ろうとするとき、もしくはすでに眠っているときの満ち足りた感覚。しかも、すべての生きものたちを見守っている存在に包まれた安心感。
お気に入りの毛布にくるまったような温もりと、安心感と幸福感を与えてくれる絵本でした。おやすみ前にそっとページをめくると幸せな夢をみることができそう。

マーガレット・ワイズ・ブラウンの無駄のないシンプルな文章の繰り返しによる、ゆったりとしたリズム感。そこにジャン・シャローの大胆でシンプルな造型と、パステル系だけれども落ち着いた温かな色彩の絵が絶妙にマッチ。構図も色彩も大胆で生命力が感じられるのに、ちっとも嫌味でないのが不思議。でも好みが分かれるかもしれません。
とても静かで親密な時間の流れる絵本。静かだけれども、生きものたちの息づかいが感じられました。

私はクリスチャンではありませんが、この絵本は好きです。クリスチャンとかブッディストだとかという次元を超えているからです。でも、どうやらラストに拒絶反応を示す人もいるようです。
ですが、宗教と信仰は似て非なるもの。そこのところを理解し、表現方法にとらわれず、作品の根源にある「想い」を汲み取ってもらいたいと思うのです。(2002/6/3)

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しばわんこ 和のお道具箱/川浦良枝

しばわんこ 和のお道具箱
絵・文:川浦良枝

My評価★★★☆

白泉社(2009年9月)
ISBN978-4-592-76136-5 【Amazon


しばわんこ和のお道具箱しばわんこシリーズ道具編。日本に古くから伝わって利用されている生活雑貨というか小道具の数々。

裁縫箱には、巾着、針山、握りばさみ、桐箱、目打ち、竹尺など。ちりめんの布と小豆を使ってお手玉作り。庭仕事に必用な道具、料理道具もいろいろ。
そろそろ冬じたくの季節。みけにゃんこが納戸をのぞくと、そこには火鉢、炭入れ、火箸、五徳、火消壷、手あぶりがありました。
大掃除の最中に、屠蘇散、屠蘇器、三方などお正月の道具を出します。正月二日には硯、印泥、筆立て、水滴といった道具を出して書初め。羽子板やでんでん太鼓、犬張子、張子の虎、鳩車など和の玩具。3月にはお雛様の道具を飾って。

しばわんこは、古布を合わせて座布団を作ったり、梅酒やまたたび酒を作ったり、みけにゃんことともかくマメ。夏には風鈴作りに挑戦。
夏の午後、掛け軸が風邪にあおられるので、トンボ玉で風鎮(ふうちん)を作ります。
風鎮とはストラップを大きくしたような形で、下方の軸の両端に引っ掛けて重石にするんですね。どこかで目にしたことはあるけれど、名前は初めて知りました。

いろんな道具があるんですねえ。用途ごとに普段使う道具のほかに、季節ごとに使う道具。イメージ的には、田舎のおばあちゃん宅にあるような感じ。
和の道具って、もちろん使い勝手は考えられているでしょうが、見た目がかわいらしい。機能性一点張りではなくて、目でも楽しめるよう作られているのではないのかな。
いまでも入手しようと思えばできるけれど、現代の家庭では使われることはまずないでしょうし、見たことのない人が多いのでは。一般家庭では見かけないと思うし、使われていないですよね。
火鉢なんて、機密性の高いマンションでは二酸化炭素中毒になり兼ねないので、危なくて使えないですよね。
それほど日本人の生活、生活環境が変化したのだなと思いました。

あんまりいろんな物を取り上げているため取り留めのない印象を受けましたが、愛らしい絵を眺めながら、楽しく和の道具の知識を得られました。なにはともあれ、このシリーズ、ほっこりした気持ちになれるのがいいんですよねえ。(2012/10/28)

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